第2弾 新興国中小型ファンドが発表されてから、少し時間も経過しまして、もう少し触れてみようと思います。第1弾 スマイルジャパンの販売金額も初回募集上限設定500億円に対して4億5700万円と振るわなかったようです。暗雲が立ち込めてきています。
比較対象は、やはり「MSCIエマージングインデックス」です。ブログ主もMSCI エマージングインデックス投資をしており、乗り換えたりするには、このインデックスとの差別化は必要だと思います。
国別に見ると、中国、韓国、インド、ロシアが大きく下げて、南アフリカ、トルコ、ポーランド、タイが大きく上がってきています。どちらかと言うと、ネット証券で個人投資家が海外株を取引するような新興国を意図的に外した印象です。
業種では、小型ということで大型の金融、情報技術、電気通信、エネルギーなどが下がり、生活必需品、サービスやヘルスケアなどが上がっています。個人投資家が海外株式を取引する場合、インフラ株や大型株、名の知れた大企業の株を買いたいと思うのではないでしょうか。南アフリカ、トルコ、ポーランドなどの中小型株に精通している人は日本にはいないのではないか、と思います。(いたとしても数人~数十人規模?)
”低ボラティリティ”というのは、本ブログでも最近扱っています「効率的フロンティア」という金融工学のことのようです。これについては、”本邦初”とされるのは、過大広告にあたらないかなあ、と危惧してしまいます。
似たようなリスクリターン/相関性を持つ新興国小型株だけで十分に金融工学の結果が出るかは疑問に思います。
商品コンセプトは個人投資家が情報が得られにくいところに投資できるので、良いとは思うのですが、「信託報酬2%」がやはり高い壁ですね。
このプロジェクトが発足したときの社長同士のインタビュー記事が、この商品を生む経緯が読み取れる気がします。
◎ネット証券で取引する個人投資家は目論見書を読んでいる!リテラシーが高い!
◎大手証券会社がフローで儲からなくなって、ダンピングも始まった。我々も収益源を確保しないと!(Kどっとコム社長)
◎インデックス・長期はベストなやり方ではない。時代遅れ!!
◎今の若いのはアセットを持っていない。新しく取引をするネット投資家に買わせたい。
◎ネット投資家に投資信託を売るには、分からない商品、分かりにくい商品を作るしかない!(ソースが見つからなくなりました。確かに見たのですが・・・)
第2弾、第3弾を見ると、分からない商品、分かりにくい商品というのがピッタリくると思います。概念だけ説明はして、目論見書を見ても分からない金融商品を販売、2%の信託報酬という目的がまずあるのかも知れません。
ネット証券の収益源を確保したい、という商品とも言えると思います。
インデックス長期運用は平均点でベストではないのが当たり前なのですが、それを上回る金融商品がないので、インデックス投資を選択しているのが、お偉いさん達には分からないのかも知れませんね。
成功するかどうか、見守っていきたいと思います。資産が10年で倍増するか楽しみですね。
ネット個人投資家に投資信託を売りたいのであれば、ネット個人投資家にアンケートを取れば良いと思うのですが、何故、それをやらないのでしょうか。と思います。要望はたくさんあります。