ロイターでは、今の円高を「日本の稼ぐ力を反映したもの」と報じています。
日本の「稼ぐ力」を映す円高、介入よりも恩恵生かす政策求める声も [東京 2011年8月3日 ロイター] 円高が進行し、通貨当局による為替介入が予想される中、介入頼みの政策対応を疑問視する声が出始めている。 現在の円高は、日本の経常収支の黒字を対外投資で相殺しきれない構造が背景にあるが、欧州や米国の財政危機などにより対外投資は増加しにくく、円高圧力は容易に衰えそうにない。政府はむしろ、場当たり的な介入対応ではなく、日本の「稼ぐ力」を示す経常黒字を背景に、円高メリットを生かす政策展開が必要との見方が出ている。
アメリカは日本の全く逆で、基軸通貨の特権を振り回していたが経常収支赤字を続けすぎており、もはや万策尽きた状態、ということからドル安が止まらないようです。
ソブリンリスクが高いのは「25年経常収支黒字を続けている日本」ではなく「莫大な赤字と純債務国のアメリカ」である、ということです。普通に考えれば、当たり前ですよね。
本ブログでも、日本の所得収支が円高バイアスとなっていると触れましたが、経常収支黒字が大きい日本。とりわけ貿易収支を所得収支が上回り、それが日本に還流してくるため常に海外投資をしたりしないと為替のバランスがとれない状態なのにアメリカがドルジャブジャブをしているので更に円高が進んで1ドル75円なんていう為替レートになってしまったんですね。
実際には諸外国も所得収支というのはあるのですが、日本の場合はご存知の通り、超低金利のため、海外に支払う利息がスズメの涙程度というのが大きいようです。
日本は既に「稼ぐ力」を持っている国であるとロイターで報じています。外国資産が復活するのには時間がかかるので、為替介入に躍起になるよりも、円高を活用できる国家体制に速やかに移行する必要がありそうです。
円高による高い購買力を維持しつつ、エネルギー関連の技術開発を進めて海外からは希少資源を買って備蓄。内需も緩やかなインフレ傾向にもっていくようにな政策が、日本銀行と日本政府に求められているんじゃないか?と思います。
個人投資家?としては、その円高に対応できる日本の政策変換を見越して先回りしての投資をするか、様子見で国内債券重視でしょうか。外国が稼ぐ力をつけるまでは目減り覚悟+無理の無い範囲で海外投資する、もしくは貴金属投資やエネルギー関連投資を進めておいて、あとは適度な金融緩和+デフレ脱却政策を期待できそうな政治家に投票する。ということが必要だと思います。
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