為替が大きく動いています。ドル円が76.34円まで円高が進み、このラインを試しています。このラインは野田財務相が「いい介入だった」と自画自賛していた4.5兆円分のドル買い円売り介入をしたラインです。
ちなみに政府短期証券(FB)を銀行に買い取らせて円資金を調達して介入したので、日本人が汗水流して上司に怒られながら命を削って働いて手に入れた給料を預けている民間銀行の中にあるお金4.5兆円が使われました。どうあっても日本のマネタリーベースを増やしたくないようですね。中国の為替介入はマネタリーベースが増える為替介入ですので、日本とはちょっと違います。
「日本人の預金4.5兆円」⇒「日本政府(国)の借金4.5兆円」⇒「アメリカのドルを4.5兆円分買い、日本円を4.5兆円売る」
この動きの分だけ、為替が2円~3円分は円安に動いたのですが、既に介入ラインに戻ってしまったので意味がなくなりました。含み損のドルの代わりに日本政府の借金4.5兆円が数日で増えました。
マスコミや日本政府はこのことを報じないし、日本人には情報として知らせないと思います。先週の為替介入は既に黒歴史ですね。このようにして増やした日本政府の借金残高を理由に、日本人に増税を迫るのです。恐ろしいことですよ。
ここが割られてしまうか、また日本が為替介入するかがポイントでしょうか。今の時代に介入しても「76.25円が最近の防衛ラインか」と投機筋にばれてしまいますので、数日でこのラインまで戻されてしまうのですね。
結果としてドルだけ掴まされ、仕方なく米国債で運用する。というのが日本の外貨準備になります。外貨準備からは所得収支を生み出し、更なる円高材料が残り、本当に逆効果です。
このラインが割れたら、どうするのでしょうか。海外から日本の単独介入は批判されたばかりなので、今の日本政府と日本銀行の連携パターンなどを見ていると、何もせずに放置しそうな気がします。
円高は日本円の通貨の価値、信用が高まることであり、悪いことではないのですが、「国内雇用」が崩壊する恐れがあります。雇用形態の弱い契約社員、派遣社員などが失業し、若年雇用へのシワ寄せ、子会社化して海外に事業ごと売り払うなどの大ナタが加速するかも知れません。これが、最大の問題ですね。
証券会社のレポートを読んでいると、「中長期投資家は今週は様子見をしてください。」のようなマゾいコメントが書いてありました。日本国債、国内預金、純金ETFで乗り切って、1ドル60円台にでもなったらリスク資産をまた買い増せばいいんでしょうかね。
2007年~2008年のリーマンショック前までは1ドル120円だったのに、凄い世の中になってきました。日本円の価値が4年間でほぼ2倍になろうとしています。
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