資産倍増計画第2弾が発表されましたね。「新興国中小型株ファンド」です。
内需関連中心に新興国の株式に投資するというものです。
特徴は”低”ボラティリティ運用ということらしいです。今までは「リスク」の分だけ「リターン」がある、という考え方に基づいていましたが、低ボラティリティで投資効率を重視するということらしいです。
ボラティリティというのは投資の世界では「価格変動率」と直訳されるそうです。
ボラティリティが大き過ぎると、期待収益率から乖離してしまい儲けすぎたり、損し過ぎたりするということになります。
新興国の内需というのは、インフレが酷いですが、基本的には高成長が期待できるものです。その成長を資産運用に取り入れたいと考えるのは普通です。
しかしながら、新興国リスク、為替リスク、個別銘柄の変動率、など、大幅な値動きが予想されギャンブル性が高くなってしまいます。そこで、ある程度のリターンを犠牲にして価格変動の安定を保つことを目的とした投資信託のようです。
いわゆるローリスクローリターンという訳ではないようです。ボラティリティが高くなりすぎているような株運用はしないということのようです。
原発後の東京電力 :33% (高ボラティリティ)
摘発後のライブドア :33% (高ボラティリティ)
預貯金 :33%
という運用でリスクリターンのバランスをとった場合、預貯金にも分散投資しているからリスクリターンが薄まる安心感!!!俺最強!!!とはなりませんね。リスクリターンだけを考えたポートフォリオ構築は投資効率が悪い、という投資理論に基づいているようです。
A株 33%(低ボラティリティ)
B株 33%(低ボラティリティ)
C株 33%(低ボラティリティ)
こんな感じで運用をしたほうが、目的とする「新興国の内需拡大による恩恵」を受けやすくなるということでしょうか。
低ボラティリティ株なんてあるのかな・・・?という疑問もありますが、相当数に分散して投資すると思われますので、大丈夫なのでしょう。
ブログ主的には資源価格の上昇、新興国インフレによる内需減退、欧米経済不安、独裁や私有財産制限が多い政治リスク、不動産バブルを考えるとバラ色の人生が新興国の人達を待ち受けているようには思えないのですが、新興国投資は必要だと思うのでエマージングETFを買っています。
ノーロード投信なので購入手数料はかかりませんが、信託報酬は1.995%とそれなりです。これでも業界では頑張っているほうなのかも知れません。もっと信託報酬をとりたいくらいの運用方針を提供して貰えているようです。
インデックスファンドばかりでなく、アクティブファンドも少し混ぜたい!という人にはオススメかもと思います。ブログ主の資産運用額での新興国株式投資は100%インデックスで十分な額なので、リーマンショッククラスのインパクト後に買ってみようと思いました。
COMMENT
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このファンドについて検索して最初に見つけたブログがここでしたので、投稿させていただきます。
ネット証券専用の投資信託ですが、ここまで見て正直あまり魅力ある商品とは思えないですね。
このファンドについて感想を書きますと、
ネット証券を利用している投資家だと、購入手数料だけでなく、信託手数料もコストとして重要視しているはずですので、インデックスファンドやETFに比べて馬鹿高い2%近くの信託手数料を払うとも思えないのですが。
低ボラティリティというのもよくわかりません。アクティブファンドのような投資効率の高さを目指すファンドの場合、目標数値に到達するためにどうしても高ボラティリティの投資を行うしかないような気がするのですが・・・。
これだったら、新興国のディフェンシブ銘柄に投資するファンドと銘打ったほうがよほどいいような気がします。
正直、また素人を騙すための高コストの投資信託を作ったな、という印象です。
”ネット専用”と”新興国”という口当たりの良いキーワードだけ並べればいいと言う物ではないと思うのですが。
ちなみに私の新興国投資はスポットで「上場インデックスファンド海外新興国株式」(1681)を少々と投信積立でSTAM新興国株式インデックスオープン、eMAXIS新興国株式インデックス、eMAXIS新興国債権の3つですかね。
まあ、STAMとeMAXISの新興国株式インデックスが被っているのは、リターンを比較するための実験という意味合いが濃いのですが。
実績としては今のところ信託手数料がやや高いSTAMのほうに軍配が上がるというところでしょうか。
ネット証券専用第2弾について
そもそも”資産倍増プロジェクト”でネット証券4社が集まったのは「ネット証券4社の株式投資信託設定額シェア 1.6% 3713億円、株式取引売買 71.4% 86兆9566億円 」でネット証券会社の投資信託が少なすぎることから始まっています。
http://net-toushin.jp/articles/-/31
ネット証券を利用している投資家は相当アクティブに株式売買をしているけれども、手数料値下げ合戦で切磋琢磨してきたネット証券4社は思ったより業績が良くなかったことも引き金になっていると考えられます。
そこで、方向転換して投資信託を伸ばしたいがゆえのプロジェクトですかね。高コスト投資信託で投資家さんと長いお付き合いをしたいのでしょう。
低ボラティリティについては、過去10年間で比較した場合、MSCIのデータから最小ポートフォリオと時価加重ポートフォリオを比べると、2~3%リスクが下がって、2~3%リターンが上がっているというのが近年分かったらしいです。
だからと言って、その投資手法がセールスポイントだとした上の信託報酬2.0%は、確かに高めかも知れません。少なくともSBI証券が扱っている138個の新興国株式投資信託の中ではトップクラスに高いです。(インドオープンが2.1%くらいで、他は1.9%~1.7%)
STAMとeMAXISの0.63%~0.68%はインデックスファンドで別格ですね。
買付手数料はノーロードなので短期投資のつもりであれば、利用もありかも知れませんが、早くETFのラインナップを増やして欲しい、というのが本音です。
とりあえず、このファンドの購入は見送っていますが、このファンドの組入銘柄には興味があります。ブラジル15.7%、台湾14.0%、南アフリカ12.4%、中国9.5%と意外にも中国が低いファンドのようですね。ポートフォリオモデルが目論見書に載っていました。
ただ、新興国、内需、大型より中小型、近年の最新投資手法、と聞こえのよいキーワードが並んでいるのは確かです。売れ行きも見守りたいと思います。